The answer is cancer?

 退院して約三か月が経ちました。幸いここまでは感染症にもかからず、リンパ腫も寛解状態で安定しています。もちろん明日がどうなるかなんてわからないので、病気が見つかる前と全く同じ精神状態とは言えません。急に体調が悪化するかも、呼吸が苦しくなるかも、と不安になる瞬間もあります。ただ不安になって心配している時間がどんなに多くても、あまり人生に良い影響はなさそうなのでしっかり自己管理と通院をした上で、できるだけ陽気に過ごしたいものです。

 がんになると気になる数字の一つは5年生存率です。俺は低かったら嫌だなーと思って見なかった派でした。でも病気関連のサイトや資料を見ていれば探していなくても目に入りますし、骨髄移植する前の説明で主治医がさらっと言ってたので、開き直って色々調べました。生存率が高ければ安心すれば良いし、思ったより低かったら少しがっかりするだけ。もしがっかりしたとしても、少し考えてみてください。データの母集団の性質やいつどこで誰が行った研究なのか、どれだけ自分に当てはまるのかを正しく判断出来る場合は参考にすれば良い。そして重要なのは、どんなに最新の研究でさえ自分のデータは入っていないという事です。事実から目を逸らせという訳ではなくて、どんなことでも客観的に捉えられるかどうかが大切だと思います。

 客観的に捉える方法の一つが文字にすることです。入院中は日記と言えるほどのものではないですが、1日に起こったことを書き留めていました。別にその時に書く意味は考えませんでしたが、漠然とトイレに20回駆け込むよりはノートにトイレ採血トイレトイレトイレ輸血トイレ、、と一々書いておくと面白いと思います。体調が楽にはなるかは分かりませんが、一瞬だけ”自分記録員”になれるのです。病室に閉じ込められてる状況から精神的に少し抜け出せただけでも、意味はあったのかなと思います。

 

 細菌による感染症によって多くの命が失われた長い時代を通り抜け、がんや心筋梗塞、自殺によって亡くなる人が多くなる時代に我々は今生きています。きっと近い未来に今の困難の多くを乗り越えられ、「少し前はがんでキツい治療をしたり亡くなったりした人が多くいた」と言われる時代も来るのだと思います。そして新たな困難がやってくる。

 もちろん苦しいし辛いことは多いので感染症やがんはかなり嫌なのですが、突き詰めて考えると将来やろうとしていたことができなくなったり、大切な人と一緒にいられなくなったりすることが嫌なんですよね。マスターやドクターを取る、選挙に出るなど年齢的にどうしようもないこともありますが、それ以外はある意味で今までの人生で後回しにしてきてしまったことでした。やってみるチャンスはあったのに飛び込んでみなかった事は後悔します。全力でやれる事をやってきたつもりでしたが、まだまだでした。

 

 もう8月も終わりますが、まだまだ暑く夏のような日は続きそうです。そうは言っても、いつの間にか夏は終わっていて、そういう風に日々過ごしていくことで不安や心配事も薄らいでいくかもしれませんね。