悪性リンパ腫治療の記録

最近は思ったことを書いてる感じです。てきとうです。Amazonアソシエイトやってます。

フォークで焼きそば

これまでの人生において、僕は焼きそばを箸で食べ続けてきた。

箸で食べなくてはならないと教わったわけでも躾けられたわけでもないが、箸で食べ続けてきた。

地元の夏祭りで食べた焼きそばも、小学生の頃日曜のお昼に食べた焼きそばも、全ての焼きそばを箸で食べてきたのだ。

 

この前、焼きそばを作った後で箸を洗っていないことに気が付いた。お腹は減っているし焼きそばの上の鰹節は踊っている。すぐに使える箸はない。そして今から箸を洗うのはめんどくさい。

数秒の葛藤のあと、僕はフォークに手を伸ばしてしまった。

別にこの世の中には、焼きそばをフォークで食べたことがある人なんてたくさんいると思う。ただそっちの世界に足を踏み入れただけだ。なのに何故か、フォークで焼きそばを食べることは何も悪いことではないにも拘わらず、後ろめたいことをしているような感覚になった。

 

ひと昔前にカルボナーラうどんが流行った。たしか僕はカルボナーラうどんを箸で食べたと思う。納豆パスタはフォークで食べた。麺の種類によって使う道具は決まる。そういうルールであり、文化であり、世界なのだ。

 

ただ少しの手間と、これまでの生き方を天秤にかけて、僕はめんどくささ故に手間を惜しんでしまった。もう穢れのない自分には戻れない。

フォークで食べる焼きそばは美味しかった。